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うつりゆく時代(14)人工知能AIの事例⑥ 「工場」その1

 投稿者:二村重博  投稿日:2017年 7月 9日(日)11時07分12秒
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   今回は、AIやI o Tなどの先端技術がモノを作る現場でどのように利用されているかという事例を見てみます。このような工場は「スマート工場」と言われていますが、その具体的な事例を、これまで同様、今年初めから最近までの日経の記事から見てみようと思います。
 ところでこのスマート工場とは、「I o TやAI、ビッグデータの解析技術を駆使して効率を高めた工場。機器からデータを収集・解析することで、自動化を進めたり、故障を未然に防いだりするなどして最適な生産体制を築く。人出不足を背景に導入を図る企業が増えている。自動化による生産体制の変化に柔軟に対応できる働き手の確保が課題だ」(1/15)というものです。したがって以下では、自動化・無人化、故障や不良品の予知、ビッグデータの活用、搬送、電力、水量、産業ロボ関係に分けてまとめてみます。

 (1) 自動化・無人化
 〇 熟練技術をAIが代替
 コマツは、現場監督と作業員の会話や日誌などのデータをAIに学習させ、AIが現場監督に効率的な建機の操作ばかりでなく、施工計画まで踏み込んで自動化を進めています。コマツは、東京工業大学やMITと提携して、「早期にAIで制御する全自動建機の実現を目指す」(2/16)ということです。
 清水建設は2018年度に建築現場に自律型ロボットを一斉に投入する計画です。「鉄骨を自動で溶接できるロボットのほか、資材を作業する場所まで運ぶ搬送ロボット2種類と、資材の積み替えを担うロボット、天井に内装材を据え付けるロボットの合計5種類を同時に投入する」(6/22)というもので、同様の作業を技能労働者がする場合に比べて7割少ない人数で可能だということです。建設業で働く技能労働者はこの10年で60万人近く減少、今後10年以内にさらに100万人規模で減少するといわれるなか、「人工知能(AI)の進化により、ロボットは生産性を高めるだけでなく、現場の技能を伝承していく役割も持ちつつある」(6/22)という面も注目すべき点です。
 「酒造業では職人から一般社員にものづくりの業務を移す流れが出ている」(5/17)なかで、ロームとシステム会社のラトックシステム(大阪市)は、酒造りのタンクに温度センサーを設置し、無線通信でパソコンにデータを入れ発酵の状態を24時間監視するシステム「もろみ日誌」を開発しました。これにより一般社員が技術を継承することも容易になると思われます。
 味の素は主力工場に労働時間を短縮するシステムを導入する予定です。「2019年度までに、アミノ酸の発酵状況の数値データを直ちに共有できる電子端末と通信インフラを整備し、データの記載などにかかる時間を縮める。将来は人工知能(AI)などを活用し、発酵工程の無人化も検討する」(6/27)とのことです。
 〇 新技術の開発
 日本電産はエレベーターを自分で乗り降りできるロボットを製品化しました。
 ロームは建物の階をまたいでデータをやり取りする無線通信技術を開発しました。
 「富士経済によると、工場の自動化による次世代型のFA機器・システムの世界市場は17年の約2兆4500億円から22年に2.8倍の約6兆9600億円に拡大する見通しだ」(6/10)ということで、この分野の動向に目が離せません。
 〇 夜間稼働も可能
 金属部品加工のサワダ精密(姫路市)はI o T対応の工作機械を導入し夜間も無人稼働を可能にしています。
 産業用刃物の中橋製作所(兵庫県三木市)は、全工程を1~2台でこなす複合機械と搬送用ロボットを導入し、夜間の無人稼働を実現しました。
 大成建設は建設機器を自律走行できる制御システムと作業員との接触を防止する察知システムの開発に着手、AIを活用した無人施工システムを19年度にも現場で実証実験するとのことです。
 プレハブ住宅の建設では、例えば積水ハウスの静岡工場(掛川市)では低層住宅の骨組みの製造で、127台のロボットが24時間体制で稼働し自動化率は96%強とのこと。工場生産の利点は、品質の安定、天候に左右されない、人の負担の軽減等が挙げられます。
 〇 世界の企業の状況
 4月24日、世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ」がドイツのハノーバーで開かれ、AI関連の新技術が目立ちました。機械メーカーなど6500社が出展、日本からは日立製作所、川崎重工業、コニカミノルタなど36社が参加。ドイツからは2500社、中国からは1300社が出展。「実用化への足音が高まるAIを活用した無人工場。世界各地で開発競争が一段と激しくなりそうだ」(4/25)という状況です。

 (2) 故障や不良品の予知
 ブリチ″ストンは乗用車タイヤを生産する彦根工場で、生産設備の燃料の残量や部品の動作回数の記録データを外部に提供して、燃料の安定供給や設備の故障防止の整備を進めています。
 東レエンジはAI活用の検査機を開発して工場の操業管理に生かしています。「温度や圧力のデータを組み合わせることで熟練者しか見つけられない異常値をAIで読み取るようにする。熟練技術者の大量退職に備え、AIが役割を代替する」(1/15)ことになります。
 日揮はNECと組んでAIを使ったプラント運営を支援するサービスを開発し、国内外のプラントに売り込む計画です。それは「温度や圧力、ガスや液体の流量など膨大な量のデータの解析が伴うプラントの運営は従来、ベテランの作業員やエンジニアの経験に頼ってきた。データ解析にAIを活用することで、プラントの運営効率を高めるとともに故障の予兆検知などにもつなげる」(2/2)というメリットがあります。
 ファナックは異なるメーカーの工作機械などをつなぐ「フィールドシステム」向けソフトを開発し、9月末に発売します。これは稼働率の向上や故障を予防することを可能にしています。
 オムロンは、工場に製造ラインで発生する故障や不良品をAIで予知する制御機器を開発し、2018年に製品化を目指すということです。
 ソニーCSLと電通国際情報サービスはAIを使ったデータ解析サービスを始めます。「工場の故障予測やマーケティングなど幅広い用途での活用を見込む」(5/30)というものです。
 人材派遣会社大手のテンプホールディングスは「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」事業を始めます。RPAとはパソコンを使ったデータ入力など単純作業を自動化するサービスで、「仮想ロボット」などと呼ばれる新技術です。「業務の効率化だけでなく、人的ミスの防止や監視の目が届きにくい海外子会社の不正防止にも活用できる」(6/28)というもので、人手不足に直面している業界からの需要を見込んでいます。
 AIベンチャーのABEJA(アベジャ、東京・港)は機械の故障を予知し経営効率向上につなげるサービスを7月から始め、3年後に100社以上の導入を狙っています。「画像や動画、振動、稼働状況などのデータを分析し、機械の故障予知や検品業務の自動化などにつなげる」(7/3)ものです。

 (3) ビッグデータの活用
 素材業界では、生産に関係するデータは大量に存在しますが、これらの埋もれたデータをどのように活用するかが課題となっています。「素材メーカーは24時間稼働するプラントで製造する。温度や圧力の変化など生産にまつわるデータは大量に存在するが、保守点検時にしか使わないものも多い。データを生産や開発にも応用すれば、未知の技術の開発につながる可能性もある」(6/7)ということで、以下に素材各社の取り組みを6月7日の日経の記事から引用しておきます。
 三菱ケミカルHDは、6月にデジタル戦略を担う専門チームを設置、2020年までに200億円を投資予定。
 住友化学は、シンガポール政府の支援で、現地プラント保守にビッグデータを活用。
 JSRも20年までに、ITに100億~120億円規模の投資予定。
 旭硝子は17年から稼働データの解析で化学品やガラスの品質を安定化させた。
 世界最大手の独BASFも15年からCEO直轄のデジタル戦略チームを設置。
 
 
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