teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]


スレッド一覧

  1. 二紫会経済学(1)
スレッド一覧(全1)  他のスレッドを探す 

*掲示板をお持ちでない方へ、まずは掲示板を作成しましょう。無料掲示板作成

新着順:25/3030 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

うつりゆく時代(13)人工知能AIの事例⑤「業界」その2

 投稿者:二村重博  投稿日:2017年 6月25日(日)11時41分35秒
  通報 返信・引用
   前回は、I o Tに直接関係する企業という意味で「業界」と呼び、日本の企業の動きを見てきました。引き続き、同じテーマで世界各国の企業の動きを日経の記事(今年の初めから最近まで)で整理してみます。

(3) アメリカのIT企業とその動き
 ○ クラウド市場
 クラウド市場の世界シェアは、2016年10~12月期のデータでみると米アマゾンが33.8%、米マイクロソフトが16.3%、米グーグルが7.8%、米IBMが3.7%を占めていました(3/16)。この中でもグーグルは、インフラ整備に1兆円以上を投資し、音声認識や自然言語などの進歩がめざましいAIの機能をクラウド経由で提供するサービスを考えて、この分野にさらに進出しようとしています。
 ○ AIスピーカーへの動き
 スマートスピーカーとは、「主に家庭向けの据え置き型音声認識端末。話しかけると、会話型人工知能(AI)が知りたい情報を検索したり、音楽を再生したり、家電を操作したりする」(5/18)もので、前回にも触れたように、2014年に米アマゾン・ドット・コムが発売したものです。2017年4月時点のアマゾン「エコー」のシェアは71%で2位はグーグル「ホーム」の24%ということです(5/19)。
 グーグルは同社の会話型人工知能(AI)「グーグルアシスタント」を搭載したスマートスピーカー「グーグルホーム」を発売していますが、5月17日にこれを年内に日本でも発売すると発表しました。日本勢はこの分野でも、「音声認識などIT機器の技術を持ちながら、サービスや商売の基盤は米国勢に押さえられる歴史の繰り返しだ」(5/30)という状態で、石野雅彦シニアアナリストは、「前例を重視する日本企業は歴史上、ほとんど基盤を作り出せなかった」(5/30)とこの立ち遅れた状態を指摘しています。
 一方、アップルは6月5日に、AIスピーカー「ホームポッド」を12月に発売すると発表しました。日本向けは来年以降になるということです。「先行するアマゾン・ドット・コムやグーグルとの違いを高級感と音質に置き、価格をアマゾンの普及品の7倍に設定。AIの応答の制度で劣るとの調査もあるが、高級イメージを世界のアップルファンに訴える戦略だ。ブランド頼みの後追いは通用するのか」(6/7)ということで、その成果を見てみたいものです。

(4) 中国のIT企業とその動き
 〇 5G通信への動き
 中国の通信大手3社―中国移動通信集団(チャイナモバイル)、中国聯合網絡通信集団(チャイナユニコム)、中国電信集団(チャイナテレコム)―は、2020年までに約5兆円を投じて第5世代の通信網(5G)を整備するとのことです。中国は携帯電話の契約件数が世界最大で、13億件を超えると言われています。
 〇 ビッグデータの市場
 「米調査会社IDCによると、17年のビッグデータの世界市場は前年比12.4%増の1508億ドル(約17兆円)と予想する。うち米国が788億ドル、西欧が341億ドルで、合わせると世界市場の4分の3を占める。現時点では中国の規模は小さいが、将来は『中国市場が米欧に迫る可能性は大きい』と米半導体大手の現地幹部は分析する」(5/27)という状態のビッグデータ市場で、中国政府は20年をメドに市場規模を現在の3倍になる1兆元(約16兆円)まで増やすという目標を発表しました。これを受け、鴻海(ホンハイ)精密工業やアリババ集団も新事業を発表しました。ビッグデータ時代に各企業がどのように展開するかはこれから目の離せないところです。
 〇 外国企業との提携
 中国でも外国企業との提携は進んでいますが、特にドイツの大手企業との提携が相次いでいるようです。日経は「中独企業 蜜月時代」(6/10)という見出しを付け、中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)と独自動車部品大手のボッシュの自動運転を目指した提携、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と独DHLとの提携などの例を挙げています。「自国優先姿勢を強める米国との関係に不透明感が漂う中、独企業と組み先端技術を習得したい中国側と、巨大市場の中国でさらに技術を磨きたい独側の思惑が一致した」(6/10)というように、ドイツは中国依存を高めていますが、保護主義の姿勢を強めるトランプ政権の影響もあるようです。
 〇 中国の産業用ロボット「爆買い」需要
 中国では、ロボット需要が急増しています。製造現場での人件費の高騰や12年に労働力人口の減少に転じた中国での人手不足、省力化のニーズ、政府の補助などが背景にあります。「国際ロボット連盟によると、中国における15年の産業用ロボットの販売台数は6万7000台と世界市場の約3割を占めた。さらに中国市場では16~19年に平均で年率20%で伸びると予測。19年には世界市場の4割を占めるとしている」(6/17)という状態です。これに反応して日本や欧州の企業はロボットの生産能力を高めようとしています。川崎重工業は蘇州工場の生産を16年度には4000台だったものを17年度には7000台に引き上げる、不二越は18年までに中国で新工場を稼働させ現在の約3倍の月1000台を目指す、安川電機は中国の工場敷地内に新棟を建設し19年までに月産台数を1200台以上と現在の2倍以上に増やす、ナブテスコは日本と中国の工場に70億円を投じ多関節ロボットの腕を動かす基幹部品である減速機を増産する、などなどです。

(5) その他の地域の状況
 「その他の世界」と言えば、無数にあるわけですが、日経が取り上げている記事との関係で、以下では、台湾とインドだけを見ておきます。
 〇 台湾
 台湾のITは6カ月連続の増収ということです。「世界のIT(情報技術)景気を占う台湾企業の業績回復が続いている。主要IT19社の5月の売上高を集計したところ、合計額は前年同月比1.9%増と6カ月連続の増収だった」、「19社合計の売上高は7798億台湾ドル(約2兆8千億円)で、増収率は前月より約1.6ポイント縮小した。19社中11社が増収を確保した」(6/14)ということで、パソコンの受託生産や、液晶パネルの供給が拡大したことが理由のようです。
 ○ インド
 今年の1~4月にかけての日経の記事は、「インドIT 強まる逆風」(4/26)という見出しが示すように、インドの成長を支えてきたIT企業が転換期にきているという論調でした。これはインドITサービス企業の大手3社―タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TSC)、インフォシス、ウィプロ―の2016年10~12月期の合計売上高の伸び率が前年同期比5.4%で、2009年以来の低水準になったことが理由でした。背景には、欧米市場で需要の伸びが鈍化したこと、人件費の上昇が利益率を押し下げたこと、さらに主力のアメリカ市場で専門職の外国人向けビザ(H-1B)の審査が厳しくなることなどが考えられます。
 しかし、日経は6月になると、「ITの黒字 インド勢躍進」、「インド企業 純利益1割増」という見出しでインドの企業の好調ぶりを報道していました。これは、日本経済新聞社のアジアの主要上場企業「Asia 300」(これは中国・香港、韓国、台湾、インド、東南アジアの上場企業から選ばれたデータ)を使って分析したものでした。結果は、2~4位にインドの企業が入り、うち2社はIT企業でした。「インド40社の2016年度の純利益の合計は前年度比1割増え、3年ぶりに増益になった」、「外需が中心のITサービスも堅調だ。タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)やインフォシスは高い利益率を維持し、ビッグデータ解析やクラウドサービスなどの新分野も伸ばす」(6/17)という状態での報道でした。ITを中心とする先端技術が今後世界の経済をどのようにけん引するかという問題を提起した記事でした。
 
 
》記事一覧表示

新着順:25/3030 《前のページ | 次のページ》
/3030